- 社長しか売れない状態が起きる理由
- 営業組織づくりを進める5つのステップ
- よくある失敗と、外部に頼るときの考え方
なぜ「社長しか売れない」状態になるのか
創業期の営業は、社長の頭の中にある「誰に・何を・なぜ今」という判断と、その場の言葉で成り立っています。売れているのは商品力だけでなく、社長の判断と熱量です。ところが、その判断基準が言葉や数字になっていないため、メンバーに渡そうとしても再現できません。
つまり問題は営業担当者の能力よりも、社長の暗黙知が仕組みになっていないことにあります。営業組織づくりは、この暗黙知を順番に外に出していく作業です。
ステップ1:社長の考えを言語化する
最初にやるべきは、トークスクリプトづくりではなく、社長の頭の中の言語化です。次の問いに、社長自身の言葉で答えられる状態をつくります。
- どんな会社の、どんな状況の人が最も買ってくれるのか(理想の顧客像)
- その人は、何に困って、なぜ今買うのか
- 競合ではなく自社を選ぶ理由は何か
- 「この案件は追わない」と判断する基準は何か
ここが曖昧なままKPIやマニュアルをつくっても、現場は迷い続けます。
ステップ2:売上目標をKPIツリーに分解する
次に、売上目標を「受注数 × 単価」に分け、受注数を「商談数 × 受注率」、商談数を「アポ数 × 商談化率」……と分解します。これがKPIツリーです。
| 指標 | 見るポイント |
|---|---|
| アポ数 | リストの質と量、接触チャネルごとの効率 |
| 商談化率 | ターゲットの合い具合、事前の期待値づくり |
| 受注率 | 提案の型、意思決定者への到達 |
| 単価・継続率 | プラン設計、導入後の成果 |
分解すると「どこが詰まっているか」が数字で見えるようになり、社長の勘に頼らずに打ち手を決められます。
ステップ3:営業プロセスとトークを型にする
KPIの各段階で「何をすればよいか」を決めます。初回接触の文面、商談の進め方、提案書の構成、クロージングの条件などを、社長の言葉をもとに型にします。完璧なマニュアルを目指すより、今いるメンバーとツールで回る最小限の型をつくり、週次で直していく方が定着します。
ステップ4:役割と会議体を決める
誰が何に責任を持つか、どの数字を週に一度見て、何を決めるのかを決めます。おすすめは、週次の短い定例で「先週の数字・詰まっている段階・今週の打ち手」だけを確認する形です。マネージャーが自分の言葉で説明できるところまで落とし込めば、社長が毎回同席しなくても回り始めます。
ステップ5:採用・育成で再現性を上げる
型と会議体ができてから採用すると、新しいメンバーが立ち上がるまでの期間が短くなります。逆に、型がないまま採用すると「採用しても育たない」「結局社長に戻ってくる」状態になりがちです。採用は最後のステップだと考えるのが安全です。
よくある失敗
- いきなり営業責任者を採用する:社長の判断基準が言語化されていないため、責任者も再現できず、早期離職につながりやすい。
- 外部のコンサルに資料だけつくってもらう:きれいな資料が残っても、現場で動かす人がいないと定着しない。
- KPIを増やしすぎる:見る数字が多すぎると、何を決めればよいかがかえって曖昧になる。
営業組織づくりは「言語化 → 数字 → 型 → 役割 → 採用」の順で進めると、社長の時間を少しずつ現場に移していけます。
よくある質問
Q. 営業組織づくりは何から始めればいいですか?
社長の頭の中にある「誰に・何を・なぜ今」と、追わない案件の基準を言葉にするところから始めます。KPIやマニュアルはその後です。
Q. 営業責任者を採用するのと外部に頼むのはどちらがよいですか?
判断基準が言語化され、型と会議体ができているなら採用が有効です。まだ社長の頭の中にある段階なら、まず外部と一緒に仕組みをつくり、その後に採用する方が失敗しにくくなります。
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